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「あんた、見たところよそ者じゃな。ここはポーロン村じゃ。ようこそとは言わん。なぜこんな危険な島にやって来たんじゃね?」
君は、「父が大鷲に連れ去られるのを追って船でやって来ました」と岩にロープでつないだ船を指差す。
「おお! あれはあんたの親父さんだったのかい! 遠くからだったから大鷲が捕まえた獲物か何かに見えたよ」
君は老婆のその言葉を聞いて、食われる前に一刻も早く父を助けなければと思った。
「大鷲はどこに向かったかわかりますか?」と老婆に訊いた。
老婆はゆっくりと杖で遠くに見える巨木を差し、「あの千年樹のてっぺんに向かっていったようじゃ」と教えてくれた。
「千年樹のてっぺんにはな、鳥王と呼ばれる空を飛ぶ怪物の王が巣を作って暮らしておる。もし親父さんを助けるつもりなら、まずは高々とそびえ立つ千年樹を登らねばならん。だが、気をつけなされ。落ちたら一巻の終わりじゃぞ」
君は、「安全に登る方法はありませんか?」と老婆にすがるように訊いた。
「それはわしにもわからん。何せ、今まであの千年樹に近づいた者も、ましてや登った者などおらんのだからの。ただ、登るのに都合の良い道具はどこかにあるかもしれん」
君はあるならその道具を先に見つけようと決めた。
「もしてっぺんまで登れたとしても、鳥王と対決することになるじゃろう」と老婆は言った。
君は、「その鳥王を倒す方法はありますか?」と訊いた。
「それなら鳥王と1度だけ戦ったことがあるらしいクンサック村の村長を訪ねてみたらどうじゃ。千年樹の近くにその村はあるが、場所が場所だけに、たまに空飛ぶ怪物に襲われとるから気をつけるんじゃ」
君はいろいろと助言をくれた老婆に礼を言い、「父を助けたらまた寄ります」と伝えて急ぎ足で道を進み出す。
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