序章 帰国

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(日本に帰国するのも六年ぶりか…) 成田空港のゲートから外をみている彼が、この作品の主人公である。 (おい! それだけか!? 説明が足りないぞ!) 「おーい」 それは失礼。 彼の名は柳生賢一朗。 年齢は…。 (言わなくて良い) 「おーい」 説明が足りないといったのはあなたじゃないですかっ! (冒頭から秘密を暴露する奴があるかっ! てか、ナレーションと会話している俺だめじゃん…) 「おーい、おーい」 あ、どうも。 わたくし、このもの語りをナレーションさせて頂ます。 ………。 あれ? わたくしの名前は? (あるわけねぇじゃん) 「おーい」 そうですね…。 まぁ、お願いします。 (いきなり適当になりやがった!?) 「おいっ!」 「いでっ!? ん? なんだ?」 一人の少女に足を踏まれた賢一朗さん。 どうやら無視されていたことにご立腹なご様子。 「さっきから呼んでいたではないか」 「お、おぉ…。すまん。どうもナレーションが不手際をしそうでな」 「あぁ、そういえばナレーションあるんだったな。て、アニメを見すぎて頭が湧いたか!?おおかみさん見過ぎたか!?」 (おいおい。パクリと言っているみたいだからその発言は控えてほしかった…) 「ちげぇ。気にすんな。とにかく、住まいにいこうか」 そうそう。 この低身長、童顔、貧乳少女こそこの物語のヒロイン。 高いスペックをもちあわせた金髪緑目少女が柳生クラーク………。 (おい、そこのナレーション。その後、年齢言うおうとしたろ?) 失礼。 「また黙り込んでしまった」 「わるいわるい。行くぞ」 大きなボストンバックをもち歩く二人。 彼は気になりませんが、彼女には大きすぎる様ですね。 完全に鞄に振り回されてます。
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