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『はよ学校行きやぁ』
リビングから聞こえる母の声。
『わかってるって!!』
真菜は髪にコテをあて化粧をし学校の準備をしている。
『よし。完璧!!』
真菜は鏡ごしに写る自分を見て満足そうだ。
『それじゃあ行ってくるわ!!』
靴を急いで履き家を出ようとする。
『行ってらっしゃい』
母の声を聞き家を出る。
今日からあたし(真菜)は高校生。地元の公立高校に通う事になっている。中学から仲のよい紗紀と一緒なので不安はない。
真菜は待ち合わせの駅へ急ぐ。駅が見えると見覚えのある女の子が手を振っている。
『真菜~おはよぉ!!ってかあんた遅いってぇ。』
紗紀がほっぺたをふくらましている。
『ゴメンゴメン。準備に時間かかってん。』
ぺこりと頭を下げる。
『もぉ~あんたはマイペースなんやから。ってなんなんその服装!?』
紗紀が真菜を見て驚いた顔をしている。
髪の毛は明らかに染めている茶色。顔は化粧をしているのもすぐわかる。極めつけはスカートだ。
少し下から覗けば見えてしまいそうだ。
『今日は入学式やで!?初めが肝心やろ??始めで全てが決まんねん』
得意気な真菜。
『よぉゆうわ!!男と付き合った事ないのに(笑)』
紗紀がニヤニヤしている。
『うるさいなぁ!!たまたま中学にはあたしに合う男がおらんかっただけや』
少しムキになり強気な真菜。
『わかった。わかった。あたしはテッちゃんと幸せなるわぁ~(笑)』
『はいはい~ノロケはやめて下さい。』
テッチャンこと哲哉さんは紗紀より四歳年上で飲食店で働いている。店で知り合って連絡を取るようになった。哲哉さんは本当にいい人で大人っぽい。そんな大人の魅力に紗紀が惚れ、アタックし、付き合う事になったまだアツアツのカップルだ。
『ってか話てたら学校着いてもぉたな』
目の前には今日からあたしが通う学舎。あまりキレイな校舎とはいえないけど、今日から始まる楽しい学校生活を予想させる。
『んな入ろかぁ~』
紗紀が真菜の手を引っ張る。二人は門を駆け抜けた。
『え~っとあたしらのクラス~…ってかあたし7組やわぁ!!真菜わ?』
『あたし3組やわぁ~』
クラス名簿には3組27番本田真菜と書かれている。
『クラス離れてもぉたなぁ…』
ため息をつき残念そうな紗紀。
『残念やな~。お互いいっぱい友達作ろな。また一緒に帰ろなぁ~』
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