11/39
前へ
/114ページ
次へ
この閉鎖空間で、凄く気まずい空気が… 「あの~」 「ごめん~」 同時に二人は口を開いた! 「俺こそ、デリカシーの無い事をごめんなさい!」 「私こそ、つい気が粗くなって~ こんな時こそ、上司の勤めを果たさないといけないのに…」 「何かしら考えましょう~俺の無い頭でも知恵が出るかもしれないから」 「さすが、男だね~今年の新人はダメだと思っていたけど…そうじゃ無かったのかなぁ~」 中西さんの顔を見つめて 「それ、本当ですか?やはりダメだと…なんかテンション下がる~」 中西さんは笑いながら 「本当、君は馬鹿だなぁ~人の話を聞いていないのか?理解できないのか? どっちなんだろう~ま、それがいい面であり、悪い面なんだろう~ でも、嫌いじゃないよ!」 俺は 「そうでしょう~ 少しは見直したでしょう~ 本当はなかなかいい奴なんですよ~ あんまり、頼りにはならないけど」 「そうみたいね」 と中西さんは笑った。 俺はもう一度、周囲を確認した! 何か忘れてないかと… 天井に換気のダクトが… もしかしたら… 映画とかでよく… 通れるかなぁ~ あれしかないなぁ~ 俺は倉庫の隅にある脚立を持って来て、ダクトのカバーを外してみた! 中は何とか通れるみたいだ。 「中西さん、俺はここを通って外に出ます!少し待っててください。」 不安げに中西さんは「大丈夫?落ちてこない?体重が…」 「中西さん!心配するとこ違うけど… とりあえず行きます!」 「気をつけてね!私も何か考えて行動してみるから」 俺はダクトの中に入り、はいつくばって移動した。 先に明かりが… エレベーターホールの明かりだ! あそこ迄行けば… 明かりが漏れるダクト口に着いて、カバーを外し下に降りた! そこには以外な人が… 「ごめんなさい~」と中西さんが謝って頭を下げている。 俺は 「え?なんで?なに?」 まったく理解できない… 開かない扉の為に無理してダクトを通り… なのに… 「本当にごめんなさい!私ね… カードキーを間違えていたみたいなんだよ~ 自分のマンションのと… だから開かなくて…ごめんなさい」 俺は疲労がどっと! 「君がダクトに入って行ってから、もう一度、確認したらねぇ~開いたの! でも、君は中だから…」 俺は無言で見つめるしか無かった!
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加