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薄暗い部屋で私は泣いている。今日、私は2年間付き合っていた彼と別れたのだ。
どうしても忘れられない人がいる。だから別れてくれ、と。
そうして、私は今、自分の部屋で泣いているのである。
缶ビールをあけてゴクゴク飲む。普段はお酒など飲まないが勢いで買ってきた。飲んでなにもかも忘れようと思ったのだ。
すると、突然メールの着信音が鳴った。見たことのないアドレスなのでイタズラだろうか。今日は本当についていない。
そんな気分になりながらゆっくりとメールを開いた……
そこには、『メル友になってくれませんか?』とだけ書かれていた。
少し酔っていたのもあるのだろう、もしかしたら失恋のショックのせいかもしれない。私はそのメールにこう返信した。
『いいですよ。私の名前は藤川早苗、24歳です。』
送信したあとなんだか馬鹿らしくなって携帯電話を机の上に置き、私はそっと瞳を閉じた。
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