機関車ト○マス

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我が子にとって、真っ直ぐ走らない鉄道など鉄道ではない。 ト「いや…私、構造的に真っ直ぐ走ることは困難なんですが…」 ガキガキ…息子は、容赦なしに真っ直ぐ走らせようとする。 ト「無理ですって!」悲痛な叫びも我が子には、届かない。 言うことを聞かないト○マスに痺れを切らした我が子は、ターゲットをキョロキョロと動かす目玉に切り替えた ト「痛い!あっ!いたたたた…」 強引に目玉に指を突っ込み、えぐる息子。 目玉を突かれながらも必死に耐えたト○マスは、何とか開放されたのもつかの間、また真っ直ぐ走るように強引に起動修正させられる。 その度にきしみをあげるト○マス… ト「だから私は、真っ直ぐ走れないんです。そんなに真っ直ぐ走らせたいのなら何故私を選んだのですか?」 ト○マスを選んだのは、息子ではない。 旅先で、暇をもてあました息子を見かねて、祖母が買い与えてくれた物だった。 祖母にとっては、愛くるしい姿に惹かれただけであって、真っ直ぐ走ろうが何処に行こうが関係ない。 しかし、息子はそれを許さない。 ひとしきりト○マスを弄んだが、思うように動かないそれを息子は無情に放り投げる。 「お疲れ様」私は、それだけを告げト○マスから電池を抜き取ってブラックホールへと送った。 適合障害…こんな身近にも存在している。
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