小鳥

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彼は、小さな小鳥… 小さいから小鳥? 幼いから小鳥? 知らんけど小鳥。 色は黄色。 「鳥かご」といったら大体誰もが連想するその中で、落ち着きなく周囲を見回す。 背景は、メルヘンチックな舞台セット。 そう、そこは某国営テレビ放送の幼児向け番組の代名詞 「おかあさん○いっしょ」収録現場である。 セットの対面には、メルヘンとは全く縁のないメカニカルな空間が広がり、数えきれない程の某国エリートスタッフが、鳥かごを刮目している。 見ると数台のカメラが小鳥を捉え、狙い撃ちする様に呼吸を抑えている。 小鳥からの視点では、カメラが「アレ」にしか見えない… そう… …鉄砲… ふと、小鳥はある歌を思い出す… 「電線に雀が三羽止まってた…」 檻に閉じ込められ、銃口を向けられた小鳥は、心中穏やかで居られる筈も無い… 昨日までの平穏無事な暮らしは何だったんだ? 突然外へ連れ出されたと思ったら、檻に監禁されたままスポットライトが集約された舞台の中央に放置され、一斉に銃口を向けられる… 「ピヨピヨ(俺がいったい何をした?)」 絶望の縁に立たされた彼は、必死に訴える。 「何だ貴様ら!俺を撃つ気か?」 「俺を撃ってどうするつもりだ!?」 「煮るのか?焼くのか?喰うのか?」 「ここは電線じゃない!貴様ら卑怯だぞ!!」
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