私が君を..

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気付いた時には、もう全てが遅かった 大切なものを失ってしまった後だった 私はカーレン。 忌まわしき赤い靴の女。 私には足がない。 今は木で作られた義足を着けている。 歩けはするものの、地面に足をつける度に激痛が走る。 けれど仕方ないのだ。 これが、私の罪に科せられた罰なのだから… ある日、いつものように教会で子供たちと話したりして遊んでいると、不思議な話を聞いた 「ねえ、カーレンお姉ちゃん。 森の奥にはね、人間を食べちゃう悪い奴がいるんだって」 「まあ、そうなの?怖いわね……」 「それでね、この前不思議なお兄ちゃんが町で椅子に座ってたんだ。」 「不思議な…お兄ちゃん?」 「うん。赤い本を持って大人にお店に来ないかーって声をかけるの。」 「なら、気を付けなくちゃいけないわね。 さぁ、もうお帰りの時間よ。お母さんが心配するわ。 その…お兄ちゃんに気を付けて帰るのよ」 私は子どもたちを帰すと、自分も家へと向かった。 →
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