17人が本棚に入れています
本棚に追加
「紅茶でよろしいですか?」
「ええ、紅茶は好きですよ。」
「少しお掛けになって下さい。すぐにお持ちしますから。」
「逆にお気を使わせて申し訳ありません…」
「お気になさらずに…好きでやっているのですから。
それとも迷惑でしょうか……?」
「いえ、そんなことはありませんよ。」
そして、たわいもない話をした。
彼は料理店を森の中で経営しているのだそうだ。
一カ所に留まらない為に簡易的ではあるようだけれど、そのせいかお客さんが滅多に来ないのだと言っていた。
彼は自分を"山猫"と名乗った。
私も"カーレン"と名前を教えた。
この町のこと、私の知らない町のこと、私たちは今日初めて会ったとは思えないほどに沢山を話した。
すると彼は少しして、言いにくそうに口を開いた
「カーレン、こんなことを聞くのは貴方を傷つけてしまうのでしょうが……
その足のことを教えてくれますか?」
嗚呼…やっぱり言わなければいけないのか…
私は決心し、頷いた。
「………はい、わかり…ました……」
→
最初のコメントを投稿しよう!