入学

10/28
前へ
/557ページ
次へ
さっきの俺みたいな人のとらえ方をするその人は心底めんどくさそうに、 「じゃあそこの礼儀のなってない黒髪黒眼の男らしい(笑)お前。言ってみろ」 「(笑)とか言うな! というか、寝てたってどういうことですか!?」 「夢の世界のお花畑で蝶を追いかけて遊んでたんだ」 「誰があんたの意外とメルヘンな夢の話をしろといいましたか!」 「お前が寝てたってどういうことか聞いたんだろうが」 「意味ぐらいは知ってます! そうじゃなくて、なんで居眠りで遅刻なんてするんですか!?」 「気持ち良かったからに決まってるだろうが。何言ってんだよ」 「そんなこともわからないのか?みたいな目で見るな!」 「…………。」 「哀れむような目もやめろぉおおお!」 ハアッハアと俺は息を切らす。 なんなんだよこの人。なんで俺初日から全力でツッコミしなきゃならんのだ。 ……まぁいいや。とりあえず、息を整えてっと。 「とにかくもう一度ちゃんとみんなに謝ってください。みんなあなたがなかなか来ないから心配してたんですよ」 さっきまでの勢いを抑えて、ちゃんとそう伝えた。
/557ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9134人が本棚に入れています
本棚に追加