入学

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それを聞いた担任教師は少し目を見開いて、 「そうか、心配をかけちまったのか……」 と呟くと、 「それはすまなかった。 お前ら。ホント悪かったな」 そう、しっかりと頭を下げた。 なんだか少し予想外の反応に俺は面喰らう。 周りの奴らも、みんな「え?」って顔をしている。 どうしたものかと俺たちが当惑している中、担任教師は顔を上げ、 「心配かけといてあの態度はなかった。悪い。許してくれな」 そして、ちょっと申し訳なさそうな苦笑いを浮かべた。 本格的にどうすればいいかわからなくなったクラスの面々から、無言で俺に視線が集められる。 (お前がなんとかしろ!) っという意味らしい。 まぁなんだかんだ原因を作ってしまったのは俺なので、 「いや、まぁ何て言うか、こっちもすみませんでした。偉そうなこと言って」 そう言って頭を下げた。 担任がありがとなっと言ったので、いえ…と返してとりあえず俺は席に着く。 『…………。』 なんだかとても変な空気になってしまった。 そんな中俺は、 (やっちまったぁあああ!) と心の中で大反省会を開く。 何が幸先いいだよ! 最悪じゃねぇかちくしょう!
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