入学

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「あー、それじゃあ連絡事項に入るぞー」 俺が頭を抱えながら罪悪感に悶え苦しんでいる中、そんなダルそーな声が聞こえてきた。 前を向くと担任が死んだような目をして、手帳らしきものを見ている。 こうして見ると、さっきのこの人が嘘みたいに見えた。 さっきまではなんだか大人な雰囲気でかっこよかったのに、今は〝かっこいい〟の〝か〟の字も入らないほどダラけた雰囲気だ。 なんつーか……絶対あの人損してる気がする。 なんとも残念感がいなめない。 「いよーっし。じゃあまず自己紹介からな」 そのいろんな意味で残念な人の声が教室に響いた。 「今日からお前らの担任になった、ケイト・ローレスだ。得意属性は水と氷。担当強化は魔術学と武術学。 まぁ他にも実戦系科目は全部見れるから、聞きたいことあれば聞きにこい」 そう、簡単な自己紹介を終えた。 そのままケイト先生はダラダラと連絡事項を伝えていく。 どうやら相当なめんどくさがりみたいだ。 でも、おそらく言ってることは大事なことなので生徒側はみな真剣に聞いている。 あの先生もさすがに漏らさず、キチンと伝えてくれているだろう(たぶん)。
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