入学

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すべての連絡事項を述べ終わったのか、先生は手帳をパタンと閉じた。 「連絡事項は以上。明日は授業ねぇけど、全員の自己紹介と簡単な実力見せてもらうから休むなよ」 そう告げてケイト先生は教室から出ていく。解散の号令とか無しですか。 ホントに出ていってしまったので俺たちも帰る準備を始める。 とくに今日は荷物がないのでほとんど手ぶらだが。 そして、さてじゃあ帰るかっと思ったところで、 バンッ! っと教室のドアが開く音がした。 もちろんいきなりの出来事なので、みんな一斉にビクッとしてからそこを見る。 そこにいたのは、我らがケイト先生。 「いやー悪い悪い。忘れてた」 そう言って教室の中に何かを持ってきた。 箱に入っているのは、折りたたみ式の何か。綺麗に詰め込まれている。 「危なかった。手帳配り忘れるとこだった」 どうやら生徒手帳らしい。 なぜこんなに急いできたかというと、 「いやー、これがないとお前ら明日から校舎に入れねぇんだわ。 思い出して良かった」 ということだそうだ。 『…………。』 決めた。 俺絶対この人のこと先生と呼ばない。
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