入学

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中庭、修練場の一部を回り終え、手帳で時間を確認する。 多少休憩を入れながらただ歩いて回っていただけなのに、すでに時刻は6時前。 そろそろ買い出しに行かなければならない時間だ。 「どんだけ広いだよここ……」 まさか全部周り切らないうちにタイムアップになるなんてな。 一通り散策してそのまま買い出し―――という流れのはずだったのに。 「ふう……」 今日はここまでだな。最後に裏庭だけ回って行こう。 サクサクと歩を進め、裏庭へとやってきた。 広場の中心部には噴水があり、歩道以外はすべて芝生で覆われている。 全体的に落ち着いた雰囲気の場所で、ここで昼寝でもしたら気持ち良さそうだ。 とりあえず目の前にあるベンチに腰掛ける。 静けさと、少し涼しくなった風がとても気持ち良い。 (……っはぁ~) あーやべ、超休まる。 ここいいとこだなホント。 そんななんとも言えない心地良さに、少々まぶたが重たくなってきた時、 (……ん?) 噴水のあたりで何かが揺れた。 もう一度目を凝らして見てみると、噴水の裏に服の裾のようなものが確認できる。
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