入学

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(誰かいるのか……?) 少し近づいて垣間見た、緩やかに揺れるその髪の色は青。いや、空色といったところか。 なんとなく好奇心が湧いてきたので、噴水へとさらに足を進めることにした。 髪の長さは短めだがたぶん女の子だろう。 なぜこんな時間にここにいるのだろうか。 そんな疑問を持ちながら、俺はまた一歩踏み出す。 ―――途端、その子が動いた。 その空色のショートヘアを揺らしながら噴水の前を出て、近づいていた俺の前にあらわれる。 学校指定の制服に身を包み、胸のあたりについている校章の色は俺と同じ1年のもの。 そして、 (うわー……) 俺は、思わず見蕩れた。 なんというか、今まで見たことのない可愛さだ。 (こんな子、実際にいるんだな……) なぜか心の中で深く感心してしまう。 いや、でもこれは感心するに値する容姿だろう。 うん、なんていうか……。 魔術学園スゲー! 俺、この学園入ってホントよかったよ! 「あの……」 「うぇっへい!?」 話しかけられたらなんか変な声出た! なるほど、人間って驚くとこんな声も出せるのか。勉強になったな。
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