入学

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とりあえず、そんな危険な代物によって火照った身体を冷まそうと、すぐに動き出す。 向かう先はキッチン。なんだかんだ今の俺は空腹なのだ。 初日だし、簡単に作れるものですまそう。 今までやってきたとおり、手際よく準備を始める。 材料を取り出し、調理を開始。 しばらく無心で腕を動かしていると、だいぶ火照りも消えてきた。 同時に、思考も正常に働きだす。 (そういえば、明日自己紹介するとかなんとか言ってたな) 同時に、簡単な実力も見せてもらうとか。 武器を使った動きより、魔法の力を見たほうが手っ取り早いし、たぶん何か魔法を打てとか言われるんだろう。 正直、魔法はあまり得意じゃない。下の上から中の下ってのがピッタリだろう。 そのぶん、武術はそこそこ自信はある。もしかしたら学園内でも結構強い部類に入るんじゃないだろうか。 いや、それはあまりに自分を過信しすぎか。自重自重。 周りがどれほど強いか知らないうちになんだかんだ言ってもあれだしな。 まぁとりあえず、俺は特筆すべきことのない普通の学生だということだ。 ……そういうことに、今はしておく。 ただ、一つ。 俺は普通ならありえない特質がある。 しかも、あまりうれしいものではない。 黙っていれば、そう簡単にはばれないようなことではあるのだが。
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