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「「あ……」」
バッタリと。
下へと向かうエレベーターの前で、ボタンを押そうとしているミーシャと遭遇した。
くそ、昨日変な別れかたしたぶんなんか気まずい空気が……。
「おはよう、シンくん」
……あまり流れてなかった。むしろ気にしてるのは俺だけっぽい。
「あ、うん。おはよう」
――っかしいな。
ずいぶん失礼な別れかたをした気がするんだが。
顎に手をあてて考えてみる。
実のところ、気にすることでもないってことか。
「どうしたの? 乗らないの?」
「あ、ごめん」
知らぬまにエレベーターは着いていたらしく、中でミーシャが待っていた。
促されるままに俺は乗り込む。そして、下へと向かうボタンを押した。
――同時に押そうとしたミーシャの指にふれながら。
「「…………。」」
どちらともなく、互いの顔をみる。ミーシャも俺も、目が点だ。
そして、
「「……~~ッ!」」
同時に赤面した。
バッ、と俺は距離をとる。ミーシャも数歩後ろに下がる。
ちくしょう!
せっかく気まずさもなく、かつ一緒に仲良く登校できると思ったのに!
「あの……ごめんなさい…」
「いや……こっちこそ悪かった……」
いじらしい……。
いじらしいよママン……。
俺もうどうしたらいいかわかんないよ……。
「いや~間に合った。危ねぇ危ねぇ」
ロキィイイイ! 助けてくれぇえええ!
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