入学

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そんな立派すぎる魔術学園を目の前にボーっとしている中、他の生徒は何食わぬ顔で堂々と敷地に足を踏み入れている。 ……なんだかこう見ると、自分がとてもちっぽけな男のように思えてならん。 「……っし」 俺は小さく気合いを入れて、足を運び出した。 これから待ち受けるものへの期待と不安、そしてその一歩を踏み出したなんとも言えぬ感覚に包まれながら。 ところ変わって、ここは講堂。 学園での集会や、行事ごとなどに使う場所だ。 そこでは今、新入生を歓迎する入学式が執り行われている。 前の方の席で、凛々しい目をむけながらも少し固くなって座っているのが俺たち新入生。 そして、後ろには上級生が座っている。 しかし、それにしても数が多い。 左右を見渡すだけでもその多さは計り知れない。 実際のところ、全校生徒が何人いるのか。 この様子じゃ、まったく分かったもんじゃないな。
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