入学

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なんとなく、そんな少し浮ついた気持ちで入学式を過ごしていると、壇上に一人の女性があがった。 白く、美しい髪をなびかせて颯爽と歩くその人は少し遠めから見ながらもとても綺麗だった。 パリッとレディースーツを着こなしたその人は、コホンと一つ咳ばらいをし、話し始めた。 「新入生のみなさん。こんにちは。 私はこのカルラ魔術学園の学園長をさせていただいています、カレン・クロイツです」 その美しい声が講堂に響きわたる。 というか、この人学園長なんだ。見た目凄く若く見えるのに。 「ここ、カルラ魔術学園は、将来軍やギルドで活躍する魔術師を養成する全寮制の学園です。 他の学園とは違い、ここでは基本的に多くの戦闘訓練などを行います。 もちろん標準学科もありますので、知識、実力ともに優秀な魔術師となれるよう日々努力を重ねていってください」 なんとも美しいながらも威厳のある声で俺たち新入生にむかって言う。 キリッとしたそのオレンジの瞳で言われると、おのずとこちらも姿勢を正し、真剣な眼差しを返さざるをえない。
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