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「せっかくこうしてペアとして知り合えたんだし、親交深める意味もこめてみんなで飯食いに行かねぇか?」
そう提案するのはロキ。
こういう時に、こんな社交的なやつがいてくれるとホント助かる。
うまく話を作ってくれるからな。
「俺はいいぞ。賛成だ」
「私もとくに用はないし、大丈夫だ」
「はい、私もです」
各々、賛同していく俺たち。
その中で一人だけ何も言わずにこの場にいるやつがいる。
「レイちゃんは行かないの?」
「え、あの、えっと……」
ミーシャに聞かれて口ごもるレイ。
どうしたらいいのかわかっていないみたいだ。
もしかしたら、今までこんなふうに誰かに誘ってもらったことなんてないのかも知れない。
そうだとしたら、こういった反応も頷ける。
「じゃあレイも参加ってことでいいな」
そう言ったのはスフィア。
なんとも優しそうな顔してレイを見る。
そうだ。今までこういった経験がないのなら、俺たちが経験させてやればいい。
こいつの手を引っ張ってやればいい。
どうにも気に食わない女ではあるけど、それでもなんだかほうっておけないと思うのは、俺が相当なお人よしってことだろうか。
「決定~。んじゃ、行きますか」
「ちょ、私まだ何も……」
「いいだろ。初日ぐらい付き合えよ」
俺とロキが促し、ミーシャがレイの手を引いて。
スフィアはそんな俺たちを笑顔で見ながら、みんなでこの修練場をあとにした。
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