入学

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中にはもう先に来ていたらしく、席についている生徒が数名いた。 俺も黒板にかいてある場所へと向かう。 どうやらこの学園の教室は階段のような作りになっていて、後ろに行けば行くほど高い位置になるらしい。 ちなみに俺の席は、後ろから二段目の窓際という場所。 「いよっしゃ!」 どうせすぐに席替えを行うんだろうが、なんだか少し優越感を覚えた。 なんか勝った気分だ。うん、何にかは知らんけど。 「おう、なんだかお前うれしそうじゃねえか」 小さいながらも、声をだしてしまったからだろうか。 それに気づいたらしい人に声をかけられた。 後ろを向くと、爽やかな茶髪に同じく茶色の目をした長身の男がいた。 気さくで爽やかな笑顔とともに立っているこいつは、人目で悪い奴じゃないと俺は判断。 ゆえに、 「だってよ、最初から凄くいい場所だろ。いきなりこの席だとなんか幸先いい気がしてな」 俺もそう、気軽に返せた。 「あー、まぁ確かにな。なんか無駄に嬉しい気分になるのはわかる気がする」 腕を組んでうんうん頷いている長身茶髪の少年A。 うん、やっぱこいつ絶対いい奴だ。 再び俺の中で勝手にそう断定する。
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