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気を引き締めて歩き出すと、開けた所に出た。
そこで目に入ったのは、喉を裂かれて絶命しているシルバーウルフ十五体と……
アステラ
「女の子……?」
シルバーウルフの返り血だろうか、白かっただろうワンピースを赤く染めた八歳ほどの女の子が立っていた。
髪と目の色はそこにも返り血がかかったかのような真紅で、ナイフを持っている。
少女
「んだよ、まだ居やがったか……」
アステラ
「ちょ、ちょっと待って!私は人間!人間よ!!何もしないわ!!」
戦闘体制になろうとした女の子に慌ててそう言うと、怪訝そうな顔で立ち止まる。
女の子
「……?あのクソの手下じゃねぇのか?」
……あのクソ?と言うか、口悪すぎだよ、この子……
アステラ
「あのクソって、誰の事?」
私がそう訊ねると、女の子は心底嫌そうな顔で返事をした。
女の子
「俺たちの親父殿だよ」
アステラ
「親父殿…あなたのお父様がどうしたの?」
今俺たちって言ったのは、兄弟でもいるからなのかな?
女の子
「ここに捨てられたのさ。闇属性を持って無かったから、『一族の恥さらしなど要らん!!』ってな」
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