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そもそも、世界が今の様になった大きな理由として思想の腐敗が挙げられるだろう。
23世紀の第三次世界大戦の勃発まで続いていた旧世界。
その頃存在したパレスチナから発祥したキリスト教。
インドから発祥した仏教。
その他様々な思想が世界中で広く信仰されたという。
だがそれはいつからかみるみるうちに薄れていった。
そして新世界の始まりとともに信仰する人などほとんどいなくなってしまう。
今じゃ歴史の教科書に出ているのぐらいしかお目にかかることはない。
パウロの存在すら知らない人だってざらだ。
それでもロバートは図書館で聖書を見つけて読んだことがあった。
そして「この本には不思議な力がある」と感じたのを覚えている。
キリスト教、あるいは仏教などの思想が広く深く信仰されているうちは、国境があろうが人々は理念で繋がることが出来た。
その理念さえあれば自ずと意識の深層から争いを回避し平和を保とうとする働き掛けがあるはずだとロバートは考える。
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