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私は机の横に掛けていた鞄を手にとり、玲子と一緒に教室を出た。
グランドを横切ると、サッカー部も練習が終わっていて、雪の降る中、冷たい水で伸がバシャバシャ顔を洗っていた。
うわっ…寒そうだな。
顔まで凍りそうだよ。
伸はまるで犬みたいに、ブルブルと顔を左右に振る。その動作で、顔に付いていた無数の水滴が、私に飛び散った。
「きゃっ!冷たいな」
「あっ、わりぃ、わりぃ。なっ、星良、ハンカチ持ってねぇ?」
「ハンカチ?あるけど…」
「タオル忘れたんだよ。ハンカチ貸して」
伸は濡れた手を私に真っ直ぐ差し出した。
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