【一】秘密の片想い

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「痛てぇな先生!別に俺達付き合ってねぇし。俺…練習中、天川ばっか見てねぇし…」 「くくっ、まっ、いい。そんなに剥きになるな。仲良くしろ」 先生は笑いながら、私達の前から立ち去った。私は先生の大きな背中を見つめる。 先生… 勘違いしてるよ。 先生… 私は先生が好きなんだよ。 「星良、俺着替えてくるから待ってて」 「やだ、待たない。玲子とソフト食べに行くの。これ以上、伸との事、勘違いされたら困るよ」 「勘違い?」 「そうだよ。私と伸は中学の先輩後輩だっただけ」 「…だよな。ハンカチサンキュー、洗って返すわ」
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