【一】秘密の片想い

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少しはにかんだように笑った天川。寒さのせいか、凌賀といるせいか、頬はほんのり赤い。 天川の笑顔が、冷えた体を優しく包み込む。 教師の癖に… 女生徒を意識するなんて、不謹慎極まりない。教師失格だよ。 凌賀みたいに、俺も若かったら、天川と同じ時代に生まれていたら、同じ目線で色々な物を見たり、色々な事を感じたり出来たのに。 何で俺は…教師なんだよ。 なーんて考える俺、かなり重症かも。 天川と、あまり関わらないようにしよう。 俺は教師なんだから…。 ガキみたいに、俺は何度も自分の心に言い聞かせた。
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