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「ちょ、玲子。待ってよ。私も行くから」
椅子から立ち上がろうとした私の左手を伸が掴んだ。
「待てよ。アイス食うくらい付き合ってくれてもいいだろ」
「じゃあね、星良。バイバイ~」
「…玲子ぉー。もぅ…」
私は仕方なく、椅子に座り直す。透明のカップに入ったストロベリーアイス片手に、伸はニカッと笑った。
甘い物が苦手な伸は、プラスチックのスプーンで、ちょっとだけアイスを口に運び、顔を歪めた。
「甘っ…いらねぇ。星良、食えよ」
ストロベリーアイスのカップを、私の目の前に差し出す。
「ほら、嫌いな癖に。何で買うの?意味わかんない」
ぶつぶつ言いながら、私はストロベリーアイスに乗っかった苺を口に頬張る。
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