第十一章 ソレデモ キミヲアイシテル

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「ん……すぅ…」 ユリウスの囁きを聞いたリリアは少し唸り声を漏らしてから眉間に作っていた皺を無くし安定した寝息を立てて眠り始める。 「ふふ…おやすみなさいリリア。」 それに自分も安心したユリウスは紅茶でもコリンズに頼もうと一旦ベッドから離れようと動いた時だった。 「っ…ん?」 不意に服を引かれた感触に動きを止めてユリウスは眠っているはずのリリアを見た。 「…んん……ん…」 「おやおや…」 振り向いた先には上着の袖口をきゅっと握りしめまるで離れるのを嫌がるかのようにまた唸り声を漏らすリリアがいた。 そんな彼女を見てユリウスはまたくすっと微笑してから再び横になると 「んにゃぁ…」 温もりを感じてか可愛いらしい声を出したリリアは身体をゆっくり動かしてユリウスの胸元に擦り寄る。 (起きてない、ですよね?) 彼女の行動にそう思ってしまいながらもユリウスはより温もりを感じさせようと優しく抱きしめれば言った。 「今度こそおやすみ、甘えん坊さん…」 そう言うとまだ外が薄暗くなってきたばかりだがユリウスは瞼を閉じ自分も寝ることにした。
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