第十一章 ソレデモ キミヲアイシテル

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「お呼びですか、ユリウス様。」 「はい、リリアが目覚めましたので何か飲み物をと…」 ユリウスの言葉にコリンズから視線を当てられたリリアは肩を小さく揺らしてからぺこりと頷く。 「そうでしたか、わかりました。飲み物と一緒に塗り薬もお持ちいたします。」 そう言ってまた一礼するとコリンズは作業に入る為に部屋を後にした。 「…ユリウス。」 「ん?どうしましたリリア?」 「その…ま、まだ起きてる?」 「ええ、君が安心して眠るまでね?」 彼女の問いかけにベッドに腰掛けながらユリウスは答える。 「先ほどうなされていましたし、辛かったでしょう?」 「うん、すごく嫌な夢見ちゃって…」 「どんな夢です?…あ、聞かない方がいいですね。」 つい尋ねてしまったが涙を流すほどうなされていたのを思い出しユリウスはそう言うも 「…皆が、いなくなっちゃう夢……」 「えっ?」 「ユリウスやコリンズさんや王妃様、皆が暗闇に向かって歩いて行って私は皆に追いつきたいのにいくら走っても追いつけなくて…だんだん皆が見えなくなっちゃう夢…」 夢の内容を話しながら思い出してしまったのかリリアは猫耳を前に垂らす。
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