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自分の胸に手を当て、次にリリアの頬に触れながらユリウスは話す。
「今回はそうなってしまいましたけど、僕は全然気にしません。だって、君は生きて、ここにいるんですから…」
「ユリウス…」
その言葉に、リリアの瞳は再び潤んでしまいポロポロと涙を溢す。
「おやおや、やはりリリアは泣き虫さんですね?」
「だ、だって…ユリウスにそんなこと…言われたら、嬉しくて……」
ユリウスから言われたことに涙を拭いながらリリアが言っていた時だった。
……コンコン
「ユリウス様、紅茶と薬をお持ちいたしました。」
「はい、どうぞ。」
ユリウスの返事を聞いてからコリンズは扉を開け台車を押しながら部屋に入る。
「夜なのでハーブティーをお持ちいたしました。それと、こちらは塗り薬になります。」
「ありがとうコリンズ。紅茶は自分で淹れますので下がっていいですよ。」
「わかりました。では失礼いたします。」
そう言って二人に一礼してからコリンズは部屋を出た。
それを確認してからユリウスはベッドから立ち上がり台車に向かうとリリアの方を見て尋ねた。
「紅茶を飲みます?それとも、先に薬を塗りますか?」
「えっと……」
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