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言われたことに止まらない涙を拭いながらユリウスが答えると
「…ん……」
「えっ……」
不意に頬から目元へと感じた感触にユリウスはきょとんとした表情で彼女を見つめる。
「みゅ…やっぱりしょっぱいね。」
舌先を出しながら苦笑いを浮かべるリリアを前に何をされたか理解したユリウスの顔は再び真っ赤に染まる。
そう、リリアはユリウスへと顔を近づけると本当の猫のように目尻に溜まっていた涙をペロッと舐め取ったのだ。
「リ、リリア…」
「えっと…も、もう遅いし、一緒に寝よユリウス。」
「え、ええ、わかりました。」
自分のしたことを振り返ってか頬を赤らめながら言うリリアに遅れてユリウスは返事を返すとせっかくの紅茶をそのままに、二人は横になった。
「…ねぇ、ユリウス。」
「なんですリリア。」
少しして両方とも落ち着きを取り戻した時にリリアは目を閉じたまま言った。
「手、繋いでいい?」
「もちろん、それで君が少しでも安らかに眠れるのなら…」
彼女の言葉に同じく目を閉じたままのユリウスは微笑みつつ了承の返事をすればリリアはモゾモゾと布団の中で手を動かしユリウスの手を探し当て繋げると
「おやすみ、ユリウス…」
「おやすみ、リリア…」
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