異世界に

2/12
前へ
/12ページ
次へ
何の変わりもないいつも通りの帰り道。寄り道の途中ではあるが。とにかく寄り道などを置いておけばこの僕、流昴(ナガレ スバル)は帰宅途中だ。特に部活もせずに青春と呼べるらしい高校生活を暇に過ごしている。家に帰ってもする事がなく暇なので今日のように寄り道をする事が多いのだ。理由としては気まずいのだ。何もせずに家に居る事が。兄弟が居る訳でもないのでただただごろ寝をする事位しか出来ないのだ。元から兄弟が居ると暇ではない等とは兄弟の居ない僕の勝手な幻想であり、本当はどうなのかなどはわからない。 「昴、また寄り道?」 高く澄んだ声の持ち主は沢野京香(サワノ キョウカ)。クラスメイトの女子である。顔立ちは凄く良い。可愛いと呼ばれる部類だ。髪型は黒髪のポニーテールで割と子供っぽい外見に合っている。身長は150位。かなり小さい。 「そういうお前はどうなんだよ?家の方向は此方ではないだろ?」 うーんと首を捻ってから京香は応えた。 「私も寄り道かな?」 「はっきりしろよ」 「寄り道っていうぽわわーんとした行為にはっきりを求めるのはおかしいと思うな」 「僕にとって寄り道はしっかりとした行為だ。そんじょそこらの寄り道と一緒にしないでほしいな」 「何それ面白い。言葉遊びみたいだね」 何処がだ?と聞きたい所だが別に相手の気を悪くさせる必要性が見当たらないので止めておこう。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加