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「そうだ!今日ね何とか座流星群が見れるらしいよ?」
「獅子座だろ。今は五時か…………。時間を潰して一緒に見るか?」
すると京香は頬を紅潮させて笑顔で頷いた。無邪気な笑顔に僕は不覚にも可愛いと思ってしまった。というか普通に可愛い。
「ねぇねぇ、昴。何処か見るのに良い場所でもあるの?」
「でなきゃ言わないよ。ただ少し遠いけど行くか?」
「行く!」
とは言ってもお前、歩きだろうが。
「後ろ。乗っていいぞ」
そうさせてもらうねと京香。
「出発!」
お前が言うなって。
ゆっくりと少し重くなった自転車を漕ぐ。訂正。かなり重くなった自転車を漕ぐ。
「失礼な!」
何か伝わったのか背にエルボーが入った。お前、エルボーて。
「ねぇ昴、これから行く所って何処?」
「ホテル」
エルボーがまた背中に突き刺さる。なんか冗談で済まない程上手くなってる。嫌だな格闘に目覚めたりしたら。
「廃墟。まぁボロいけど昔なんかのビルだったみたいだけど今は使われてないよ。そこの屋上なら良く見える筈だ」
「風情ないなぁ。もっと丘の上とかお洒落な所が良かった」
「ハハ、まぁ我慢してくれ。風情はなくても悪い所じゃない筈だから」
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