明かされる正体、過去

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裕がハデスと戦い、敗れた日から五日が経過した。 あの後、裕はライダーの呼び出したペガサスにより、近くにあった設備が整った病院に速く到着し、イリヤと美咲の手で病院の中に入り込んだ。 裕の容態を見た医療スタッフは、驚きの目で裕を見て固まるが、イリヤと美咲の声で正気を取り戻すと、医療スタッフは急いで緊急オペを行った。その際に、イリヤは無理を言ってオペに参加していた。 そして、裕のオペが始まった時間から一時間近く経過した位の時間に、なのは達・・・六課の皆が病院に到着し手術室前でオペが終わるのを待った。 オペは何時間にも及び、日は完全に沈み、月が昇っていた。診察室前では何人かが眠そうに目を擦ったり、ヴィヴィオとリリスの二人に至っては毛布にくるまれながら眠っていた。そんな時に手術室にある『手術中』のランプが消える。 ランプが消えたのを見て、眠そうな顔をしていた人も目を覚まし、手術室の扉が開くのを待った。 すると手術室の扉が開き、医療スタッフ達とイリヤが部屋から出てくる。すると、なのは達がスタッフ達に近付き裕の容態を尋ねる。 医療スタッフ達の話によると、裕の身体は骨、筋肉、器官などがボロボロで、多量出血により危険な状態だったが、峠は何とか越せたと言う。 それを聞いたなのは達は、安堵の息を吐いた。が、裕の異変はまだ続いていた。 第一に、裕の身体に無数の傷跡が浮き上がってきた。その傷跡は様々で、切り傷や火傷のような跡、他にも銃弾で撃たれたような跡などが現れていた。 第二に、裕の容姿に変化が現れていた。裕の髪は、暫くの間は紅くなっていたが、手術が終わった頃には元通りの蒼に戻っていたのだが、裕の髪に新たな変化が現れ始めていた。 裕の髪が、髪の根元の方から色が変わり出し、蒼から日本人らしい黒色の髪に変わり出していたのだ。それは、日を追う事に髪は黒くなっていくのだ。 そして裕は、病院にある一室に入院するが、裕は一度も目を覚ましていないのだ。 医者によれば、もう目を覚ましてもおかしくない、と言うのだが、裕は全く目を覚まさないで居た。
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