明かされる正体、過去

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裕の事を心配したなのは達は、『ヴェロッサ・アコース』を呼び出し、裕の頭の中を覗いてもらうように頼んだ。 皆に頼まれ、ヴェロッサは裕の頭の中を見ようとするが、彼曰く『全てが真っ黒で何も見えない。』との事で、何も見れなかった。 ヴェロッサ「これは、彼が心を完全に閉ざして、起きるのを拒絶しているのかも知れないね。」 ヴェロッサは、裕の中を覗いた後にそう言った。 そして、病院に運ばれた日から五日が経った今でも 裕「・・・・・・・・・・・・」 裕は、病院の病室から六課の医務室にあるベットに移し返されていた。が、裕は一向に目を覚ます様子は無く、眠り続いていた。そして裕は、大量出血により両腕に輸血用の鍼を刺し輸血をしていた。 美咲「・・・・・・裕。」 眠っている裕の傍で、美咲がイスに座って裕の手を握っていた。 美咲「・・・裕、ごめんなさい。私のせいで裕をいつも危険な目に逢わせて、それに恋さんやアルトリア達も・・・・・・本当にごめんなさい。」 美咲は、裕の手を握り締め涙を流しながら謝る。 美咲「・・・それに、貴方のデバイスも。」 美咲は包みを取り出し、包みを開ける。そこには、至る所がボロボロになり、ヒビ割れが入った腕輪・・・裕の家族でもあるデバイス『ドラグーン』の姿があった。 ドラグーンは、ハデスとの戦いの時に砕けた事で本体にも多大なダメージを負ってしまっていたのだ。 さらに、そのダメージはラグの人工知能にまで及んでいたのだ。それを知った六課メンバーはラグを治そうとするが、ラグは他のデバイスとは造りがかなり異なっている為、修理がかなり遅れていた。 ・・・・・・そして、今日の早朝に、ラグの全機能は完全に停止したのだ。デバイスの全機能完全停止・・・それは、人間の『死』と同じ意味を持つ。 つまり、恋、アルトリアに続いて、ラグまでもがこの世を去ってしまったのだ。 それを知った皆は、深い哀しみに陥ったのだ。中には、ラグの死に泣く者達が多く現れていた。 そして、機能が完全に停止したラグを、裕に届ける為に美咲はラグを包みに入れて持ってきたのだ。 美咲は、ラグを裕の枕元に置いた。
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