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霞「ウチらが裕の事を知らんかったのは、どうしようもない事実や。・・・せやけど、裕の事を知らんかったんなら、これから裕の事を知ったらえぇやん。そして、裕の心の支えになったらえぇんやろ。」
なのは「・・・・・・霞さんの言う通りだね。知らなかったら、知る努力をすればいいんだよね。」
霞の言葉を聞き、なのはの表情が明るくなる。そして、なのはに続くように他の皆の表情も明るくなっていく。
美咲「彼女の言う通りです。知らないのなら、知ればいい。その為に私は今、記憶を見せているんです。」
美咲がそう言っている間にも、映像は進み続けていて、
裕「げっ!?雨かよ。・・・雨宿り出来る場所は・・・あった!!」
映像の裕は、突然の雨に困った顔をしたが、雨宿り出来る場所を見つけ、そこまで駆けた。その時も、アルトリアは裕の肩に乗っていた。
裕が雨宿り出来る場所に入ってから、少し経つと雨は強まった。
裕「うわぁ。酷い雨だな。」
アルトリア「ニャ~。」
裕は肩に乗せていたアルトリアを抱き抱えながら強く降っている雨を見上げる。そうしていても、雨は一向に止む事は無く、むしろ雨の量は増す一方だった。
裕「う~ん、この大雨の中、家まで帰るには距離があるんだよなぁ。・・・でも、このままだと雨はもっと強まりそうだし。ハァァ~・・・アルトリア、どうしようか?」
裕は雨を見て、溜め息を吐いた後、アルトリアを自分の顔に近付けて話し掛ける。
アルトリア「ニャ~~。」
ペチペチ
アルトリアは裕の頬を叩いた。
裕「・・・アルトリアに言っても、アルトリアが答える訳ないか。アルトリアは猫なんだし。・・・しょうがない。走って帰るか。」
そう言って裕は、アルトリアを抱え直し、
裕「アルトリア、行くぞ。」
アルトリア「ニャ~!」
裕は、雨宿りしていた所から出ていき、走って行った。
蓮華「・・・なぁ、一つ聞いていいか?」
美咲「なんですか?」
映像を見ている途中、蓮華が美咲に呼び掛ける。
蓮華「裕の過去は見せてもらい、お前の話で裕の事も理解できた。・・・だが、お前はいつになったら現れるんだ?」
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