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?「・・・・・・分かりません。」
裕「分からない?・・・それって、」
?「何も分からないんです。私の名前は何なのか、どこに住んでいたのか。・・・何も分からないんです!!」
女性は頭を抱え、俯いてしまう。それを見た裕は、バツの悪い顔をしながら、女性を見る。
裕「(何も覚えてない。・・・記憶喪失って事か。・・・地雷踏んだみたいだな。)・・・そっか。・・・その、ごめんな。」
裕は女性に謝りながら、謝罪の意を込めながら女性に頭を下げる。
すると、女性はいきなり冷静さを取り戻していき、慌てながら顔をあげる。
?「あっ、あの、謝らないでください。私は、全然気にしてませんから。・・・それに、私は貴方に感謝してますから。あの時、雨の中で私をここまで運んでくれたのは貴方、ですよね?」
裕「あっ、あぁ・・・そうだけど。」
?「やっぱりそうでしたか。・・・あの時、私を助けてくださり、ありがとうございました。それに、私の看病もしてくれてたようですし。」
女性は額から落ちていたタオルを拾い上げ、タオルを見つめる。
裕「い、いや、礼を言われる程の事じゃ。・・・高熱で道端に倒れてる人を、放っておく事なんて出来る訳が無いだろ?」
裕は礼を言われ、照れたように笑いながら頬を掻いていた。それを見て、女性も微笑んでいた。そんな時、
グウゥゥゥゥ~~
裕・?「・・・・・・」
どこからともなく、腹の虫が鳴る音が聞こえた。裕と女性は、腹の虫が鳴ると二人とも黙ってしまった。
グウゥゥゥゥ~~
そして、再び腹の虫が鳴った。
裕「あっ、あのさぁ・・・」
?「・・・・・・////」
裕が女性に声を掛けるが、女性は頬を紅くして黙ってしまう。・・・どうやら、腹の虫を鳴らしたのは、裕ではなく女性の方のようだ。
裕「あのさぁ、なんか食事でも持ってこようか?・・・もうすぐ夕飯の時間になるし・・・食べるか?」
?「・・・お願いしてもいいですか?////」
裕は、腹の虫の事など知らない風に女性に接していく。女性は、恥ずかしさから布団を被り、顔を真っ赤にさせながら小さな声で答える。女性の言葉を聞き、裕は女性に微笑みかけ、
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