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が、女性に裕の小さな声は聞こえていた。裕はちょっとビックリした顔になって、
裕「今の聞こえてたのかよ。・・・・・・まぁ、過去に色々あったんだよ。」
?「色々ですか。・・・あの、差し支えがなければでいいんですが、その話を詳しく話してもらえないでしょうか?」
女性の突然の言葉に裕は面食らう。
裕「えっ!?・・・別に話していいけど、そんなに聞きたいのか?対した話じゃないんだぞ?」
?「聞きたいです。」
裕の問いに、女性は即答する。それを見た裕は苦笑混じりに女性を見ながら、
裕「(即答って💧・・・話しても問題ないよな。)分かったよ。今から話すよ。・・・実はさ、俺の育った環境って言うのはちょっと・・・いや、かなり特殊だったんだ。」
?「特殊、ですか?」
裕の言葉に、女性は首を傾げる。裕は小さく頷き、
裕「あぁ、俺の両親はちょっと・・・一般家庭の両親とは違っててな。・・・・・・俺は物心が着く前から、色んなパーティーなんかに出席してたんだよ。その時、たくさんの大人達に会わないと行けなかったんだ。」
?「パ、パーティーですか!?」
裕「あぁ。・・・色んな大人が居たよ。俺や両親に媚びを売ってくる大人や、自分の企業の為に近付いて来る奴。家に接点を作ろうと近付いて来るお偉いさん。・・・基本的に、そう言う汚い魂胆を持ってた大人達ばっかりだったけどな。・・・まぁ、例外も居たけど。」
?「・・・・・・」
裕の話に、女性は驚いた表情をしながら聞いていた。
裕「そんな大人達を見たからなのかな?俺は、いつの間にか人を見る目が養っていき、人の目を見ればその人がどんな奴か分かるようになってたんだよ。・・・・・・話はこれでおしまいだよ。」
話し終えた裕は、女性に笑い掛ける。
?「そうだったのですか。・・・・・・一つ教えてください。・・・貴方の目には、私はどう写っていたんですか?」
女性の問いに、裕は腕を組み、
裕「・・・そうだな。君の目は嘘をついていない正直な眼をしてたな。それに、瞳の奥に綺麗な物も見えた。・・・そんな人が、悪い人には俺は思えなかったんだよ。」
?「はうっ////」
女性に笑い掛ける。裕の笑顔を見た女性は、顔を真っ赤にさせて再び俯いてしまった。
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