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裕「第一、記憶喪失で帰る場所が分からない君が出ていってどうするんだ?帰る場所が分からないって事は住む場所が無いって事だろ?・・・・・・この辺の治安は良いって言ってもなぁ、危ない人は居るかも知れないんだぞ?そんな奴に会ったらどうするつもりなんだ?」
?「・・・・・・はい、すいません。」
裕の言葉に、女性はただただ黙って頷いて謝る事しか出来なかった。・・・裕の言葉は全て、正しい言葉だからだ。
記憶喪失の女性が、仮に裕の家を出たとしても、帰る場所も無い彼女は路頭に迷ってしまう。そして最悪、そんな彼女を狙う人が現れるかもしれないのだ。
裕「・・・だからさ、」
?「・・・へっ?」
怒ったような顔をしていた裕が、女性に微笑み掛けながら女性の頭を撫でる。女性はいきなり頭を撫でられて、不思議そうな顔をして裕を見た。
裕「・・・君の記憶が戻るまで、家に住まないか?」
?「へっ?貴方の家に?・・・・・・いいんですか?」
裕の提案に、女性は驚いた表情を浮かべていた。それを見て、裕は微笑み
裕「あぁ、別に問題なんかないよ。この家、使ってない部屋が結構あるし、部屋の心配とかしなくても大丈夫だぞ。」
?「いえ、そう言う問題ではなく、貴方一人でそんな事を決めていいんですか?貴方のご家族には・・・」
裕「あっ、その辺は大丈夫だから。アルトリア~、おいで~」
女性の問いを聞いた裕は、アルトリアを呼んだ。すると、足音のような音が聞こえ、
アルトリア「ニャァ~~」
裕「おいで、アルトリア。・・・今この家には、俺とこの猫、アルトリアしか居ないから問題ないよ。」
アルトリアが部屋に入り、裕の肩に乗る。裕は女性にアルトリアが見えるように、アルトリアが抱き上げて見せる。
?「へっ?・・・猫だけ?あの、貴方のご家族は?」
裕「俺の家族なら、こことは違う、別の家に住んでるよ。・・・俺はこの家で、一人暮らしをしてたんだよ。」
まっ、アルトリアも居るんだけどねぇ。と、裕は笑いながら言葉を付け加えていた。
?「そうなんですか。・・・?と言う事は・・・!?////・・・あの、一つ聞きたいのですが・・・」
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