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裕「断る!お前みたいな怪物に、美咲を・・・俺の家族を渡すもんか!!」
美咲「裕・・・・・・」
怪物「そうですか。・・・なら、交渉は決裂ですね。残念です。」
そう言いながら怪物は、剣を構える。それを見て裕も拳を構える。
裕「美咲、俺は今から時間を稼ぐ。だから、その間にお前は逃げるんだ。できるだけ遠くに。分かったな?」
美咲「そんな・・・。ダメですよ!!あんなのと裕が戦っても、裕が殺されるだけです!!」
裕は、怪物を睨みながら後ろに居る美咲に話し掛ける。美咲は裕の言葉を聞いても、その場を離れずに居た。
裕「んなの、分かってるよ。・・・でもな、アイツは美咲を狙ってるんだ。そんな奴に美咲を渡してたまるか。・・・だから、美咲。行くんだ。」
美咲「でも!!」
裕「いいから、・・・さっさと行けぇぇ!!」
美咲「!?・・・はい。」
裕の怒鳴り声のような大声を聞いて、美咲は涙を流しながら走っていった。
裕(美咲、時間稼ぎは任せろよ。・・・お前だけでも、生きてくれ。)
怪物「別れの挨拶は済みましたか?・・・そろそろこちらも行きますよ。」
裕「・・・今まで待ってたのかよ。」
怪物「はい。・・・どうせ貴方を倒して、彼女は連れて行くんです。それなら、別れの言葉位は居るでしょう?それに、私は卑怯な事は大嫌いですから。」
裕「そうかよ。・・・悪いけど、俺はアンタなんかには負ける気はないぜ?」
そう言って裕は、拳を固く握る。
怪物「君は面白い事を言うね。・・・君みたいなただの人間が、私に勝てる筈がないでしょう?」
裕「そりゃぁな、普通なら負けるだろうな。・・・でもな、負ける訳にはいかないんだよ!!」
怪物「そうですか。・・・なら、貴方はここで死になさい!!」
怪物と裕が、同時に走る。怪物が、手に持つ剣を振り上げ、
怪物「ハアァッ!!」
一気に振り下ろした。
ドォォォォン!!
剣は地面を砕いた。が、裕は咄嗟に横に飛んだ事で、剣を避ける事が出来た。
裕「・・・ダリャァァ!!」
横に飛んだ裕は、怪物に向かって再び飛び、怪物の後頭部に回し蹴りを放つ。裕の回し蹴りは、怪物の後頭部に綺麗に入った。
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