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「頼家様……」
「亡くなった義高殿の代わりになるとは、俺だって思っていない。だけど……その寂しさを、紛らわすことはできるかな、て思っていた」
「―」
「でも……」
そこで言葉を切って、少年は自嘲的(じちょうてき)な笑みを浮かべた。
「俺の―俺達の、思い上がりだったのかもしれない」
「そんなこと、ありません」
しかし、少女は少年のその言葉を、強く否定する。
「泉」
少年は、びっくりしたように少女を見た。
いつも穏やかな少女が、強い口調で言い切ったのだ。
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