桜と雀

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ふらふら、ふわふわ、桜子は桜の花びらのようだ。 「…ちゃんと結べてないじゃん。」 「力入らなくてー。」 「やったげるから座って。」 持っていたソフトクリームを返して僕もしゃがみ込む。 「ごめんねー。」 「いい。気にしない。」 桜子は不安定な子だ。 平行感覚とバランス感覚がまずない。 それに力が全体的に弱い。 平均台も渡れないし、ペットボトルも開けられない。 「…よし、出来た。」 「わーありがと。」 綺麗なリボン、と桜子は笑って喜ぶ。 .
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