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暇なとき壁に話しかけるのが癖になっていた。
隣人に聞こえているだろうか?
隣人は聞いてくれているだろうか?
そんなことを思ったが僕は話しかけずにはいられなかった。
こんなことがあったよ
今日はあいにくの雨だね
明日は試験があってね
今日はこんな失敗しちゃって
いつしかそれが楽しみになっていた。
端から見れば寂しい人間かもしれない
でも、隣人を思っては一種の自己満足をしていた。
そんな生活をしていて僕はどうしても隣人の正体が知りたくなった
相変わらず訪ねても居留守を使われていたので大家に聞いたところ数年分の家賃を前払いしているらしく入居時以来会っていないとのこと。
大家も隣人を気にしているのか、僕を気遣ってくれたのかは知らないが連絡をとろうとしてくれたらしい。しかし電話を数回ならしたが出てくれなかったとか
友人達に話すと気味悪がった。実は隣に人は住んでいなくて幽霊が壁を叩いているなんて冗談を言うものもいた
しかし、一向に姿を見せない隣人は本当に幽霊なのではと僕も思ってしまった。
それからも隣人に一目会うことは叶わなかった
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