オヤジと妖精と彼女

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「俺、カナちゃんが好きなんだ。」 「…ごめんなさい。」 ――… 私、結城 カナ (19) 今まで生きてきて こんな告白は日常茶飯事だった。 小さい頃から気づけば隣には誰かしら男の子がいた。 中学にあがる頃には 「クラスで1番の男前」も 「学校で1番の男前」も みんな私の彼氏だった。 ここまで言えば気づくと思うけど私モテます。 モテモテです。 フった帰り道は必ずカルピスソーダを飲む ゴクッ…ゴクッ… 「ぷはぁーッッ!!」 「ママぁ、あのお姉ちゃんパパみたいだよ~!」 「見ちゃダメですっ!」 遠くから聞こえてくる親子の声… 気にするもんか 1人でいる時間まで「女の子」してたら死んでしまうわ ああ…早く帰って さきイカ食べたい… そう、何を隠そう私は「オヤジ女子」 そして極度の「八方美人」 だからかな…、 恋なんてした事ない。 今までの男たちもみんな「飾り」 好きになると人はどうなるの? 恋ってどんな味がするの? 甘いの? 酸っぱいの? 苦いの?―… .
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