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「ってそうだったそうだった!学校行かなきゃ~っ!」
「ああ、そういえば」
正直色々有りすぎて……学校とかすっかり忘れてた。
今更遅刻とかどうでもいいや。適当に嘘ついてごまかそう。
まさか、道端で魔法少女と遭遇して遅れました、なんて言えないし。
「じゃあ、そろそろ行こうかな」
「あ、あのっ!康太くん、よかったら送っていくよ?」
「いくら魔法少女っていっても、女の子に送迎されてちゃ僕の立つ瀬がないよ。急いでるんでしょ、先行きなよ」
「あうう~っ、ごめんね康太くん……私がちゃんと空飛べたら……これ以上遅れるとまずいから、それじゃ!」
そう言い残し、カイル共々走り去って行った。
速ぁぁ、あれ人間の出せる限界の速度じゃね?
「めありーっ!」
「はいーっ、なんでしょう!?」
「服、そのままでいいのーっ!?」
「……うわわわあっ!」
……遠くで、めありが慌てているのが見える。
めありが右手を上げて何かを叫ぶと、光がめありを包み込み、制服に変わった。
で、改めて全力ダッシュで駆けて行った。慌ただしいな。
……これが平凡な中学生、名波康太と、肉体派魔法少女、桜田めありの、出会いでした。
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