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零に殺して貰った後、俺の意識は真っ白い空間に居た。
『地獄に堕ちると思っていたんだが、なんだ此処は?』
白い空間にただ突っ立ているのも嫌で、蓮は適当に歩き出す。
しばらく歩くと、懐かしい声が聞こえた。
【蓮様、蓮様。こちらです。】
『華帆?』
理性は幻聴だと言うが、体は声のした方向へ動き出す。
【蓮様。蓮様。】
『華帆!華帆!どこだ!?』
ついに俺は走り出す。
真っ白な空間を、声だけを頼りに見えない華帆を探し走る。
守れなかった華帆。
俺を怨んではいないだろうか。
俺を、
俺をまだ好いてくれているのだろうか。
不安に潰されそうになり、俺は止まる。
合わせる顔なんて無いじゃないか・・・。
俺は俯いた。
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