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「お前、一人で飯食ってんのか?」
私が一人でいつものように隊から少し離れた所で晩御飯を食べていると、一人の青年が話しかけてきた。
「・・・。」
化け物と呼ばれる私に、興味本意でこの男は話しかけてきたと思ったので返事をしなかった。
「耳聞こえないのか?」
「聞こえてる。」
耳聞こえないのかって・・・無視しただけなのに馬鹿なのかこいつは。
「なんだ~。返事しないから聞こえないかと思った。なぁ、一緒に飯食おうぜ。」
「嫌だ。人間なんかと飯なんて食べない。」
私はご飯の乗ったトレーを持ち、立ち上がる。
「人間なんかって・・・。お前も人間だろ。」
青年は私の手を掴んだ。
「・・・お前、私が怖くないのか?」
ここに来て、躊躇いもなく触られたのは初めてだった。
「俺の質問は無視か。てか怖いってそりゃあお前は神懸かった強さだから怖いさ。だけど敵じゃあないだろ?国の為に戦ってる仲間だし。」
「国の為・・・?私はあんな国なんかの為に戦ってなんていない!残してきた仲間の為だ!!」
私は掴まれた手を振り払った。
「・・・仲間の為か。良いじゃん。俺もお前の仲間だ!」
「お前は仲間じゃない!化け物じゃなくお前は人間だろ。」
「同じ種類じゃないと仲間じゃないってことはないだろ?俺とお前はここで戦う仲間だ!言わば戦友だな!」
青年はニッと笑い、また私の手を掴み、座らせた。
青年は私の横に座る。
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