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――…2分後
「……真紀?」
「ん?」
「ここ、何?」
やけに薄暗い、もろに"そっち系"の様々な看板が立ち並ぶまぁ広くも狭くもない通り。
何故かそんな入り口に巧馬は真紀と共に立っていた。
怪しい通りの一番手前には、『ババロア通り』と書かれた半壊気味の看板が"落ちて"いた。…命名した人はババロアが何か分かっているのだろうか。
「あぁ言うの忘れてて悪かったな!
借りたビデオ返すの今日だったってさっき気が付いたんだよ~!悪ぃんだけど、ちょっと返却してから服屋でいいか」
「いや……まぁ、別に..」
「あんがと!…あ、それとついでに教えてやるな?」
真紀は言うとすたすたと歩き出した。
巧馬もそれについて行くように追いかける。
「ここは、白浜町のババロア通り..まぁみんな『桃浜通り』って呼んでるんだけどな」
「桃浜?」
「そ。まぁ、この通りは"そういう"店や何やらばっかりだから、ピンク通りだのアダルト通りだの呼ばれてて…
で、『白浜町のピンク通り』ってのが一番定着して.結果『桃浜通り』ってわけ」
巧馬はふぅんと返事をしつつ、周りのビルや看板を眺めた。
どれも随分古そうで、余計な妖しさをかもし出している。
「あ、ここ ここ!
ここ、超穴場で品揃えハンパないんだよ!」
真紀はそういうと手前にきた明らかなAVショップの自動ドアを堂々と開けた。
「…おま」
「巧馬も困ったらここ来いよ☆じゃ、ちゃちゃっと返却してくるわ」
―――誰が困るか..って言うか…
また一つ夢を壊された気がするのは俺だけであろうか。
初恋の子がまさか、こんな変態(というと言い過ぎか分からないが)男だったなんて……
やはりショックが未だ拭えない。
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