俺を、

2/5
124人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
普通の街なら真っ暗なはずの午前0時。 この街はこれからが本番。 自ずと俺の仕事も始まる。 「おっしゃ、行くか」 いつものスーツに身を包んで鏡の前で気合いを入れる。 「ユチョン」 聞き慣れた声に振り返れば、スラッと伸びた長い足を黒のスラックスに包んで俺を見つめる人。 ―ユノヒョン。 「もう1人指名入ったんだけど大丈夫か?」 携帯を取り出してこれから相手をする奴の名前を確認する。 あいつか……。 ま、金貰えんだしいっか。 「全然だいじょーぶー」 「わかった。無理するなよ?」 「はーい」 そう言って店を出れば俺は商品。 自分の体に値段をつけて買ってもらう。 まぁ、最近始めたばっかだからたいした額はついてないんだけどね。 俺は指定されたホテルに向かって足を動かした。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!