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普通の街なら真っ暗なはずの午前0時。
この街はこれからが本番。
自ずと俺の仕事も始まる。
「おっしゃ、行くか」
いつものスーツに身を包んで鏡の前で気合いを入れる。
「ユチョン」
聞き慣れた声に振り返れば、スラッと伸びた長い足を黒のスラックスに包んで俺を見つめる人。
―ユノヒョン。
「もう1人指名入ったんだけど大丈夫か?」
携帯を取り出してこれから相手をする奴の名前を確認する。
あいつか……。
ま、金貰えんだしいっか。
「全然だいじょーぶー」
「わかった。無理するなよ?」
「はーい」
そう言って店を出れば俺は商品。
自分の体に値段をつけて買ってもらう。
まぁ、最近始めたばっかだからたいした額はついてないんだけどね。
俺は指定されたホテルに向かって足を動かした。
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