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あれからどれくらい走ったんだろう。
ろくに食べさせてもらえなかった僕の体は悲鳴を上げていた。
「はぁ、っ……っ」
だめだ、倒れる――
「チャンミン君!!」
「ぁ……ジュ、…ス…さん?」
「チャンミン君!大丈夫!?」
僕はジュンスさんの声を聞きながら、意識を失った。
――――、
「っ………?」
「あ、起きた?おはよー」
柔らかい声と、コーヒーの匂いを感じながら目を覚ました。
周りを見渡せば、さっき見てた景色とは違う、黒と白で統一されたシンプルな部屋。
「あー、ここね?僕の友達の部屋なんだ」
「とも、だち……」
「友達っていうより、兄さん、の方があってるかな?はい、どーぞ」
差し出されたコーヒーを受け取る。
湯気と一緒に薫る、コーヒーの匂いがあの人を思い出させて少し吐き気がした。
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